陶芸・和紙染め


90才のご挨拶 
2018年9

 このホームページを立ち上げてから15年が経ち、私も90歳になりました。 現在まで、この自己紹介のページ以外はまったく手を加えておりませんが、今でもありがたいことに毎日必ず数人のアクセスがありますので、感謝の念をこめてこのまま公開を継続いたします。  


                米寿のご挨拶
                       2016年10月

 先月、米寿を迎えました。もう先が短いので、長年使用した灯油だきの焼成窯は業者に廃棄処分をお願いし、手ろくろなどの道具類のうち、まだ使えるものは陶芸教室で作陶に励んでおられる方々に引き取って頂きました。
 この和紙染めのページはオープンしてから13年になりますが、今も毎月150‐200件ほどのアクセスがあります。毎日、数人の方々が見てくださっているわけですから、このまま継続していきたいと思っています。今後ともよろしくお願い申し上げます。

               8年ぶりのご挨拶
                        20116 

 このホームページは2003年に公開しました。現在も毎日かならず幾人かの方からアクセスがあります。陶芸の技法の中でも「和紙染め」に関するサイトは少ないという事情もあるのでしょう。
 しかし、私も齢とともに意欲も根気も衰え、2006年に雑誌「陶遊」から和紙染め特集記事に関して取材を受けたりはしましたが、まったく作陶をやめてから、もう数年が過ぎました。
 そのようなわけで、本ページの内容は公開当時からほとんど更新しておりません。自己紹介その他の説明文も8年前のままになっています。不本意ながら今回はそれはそのままにして、更新できない言い訳をかねてご挨拶を申し上げます。
                   雑誌「陶遊」の和紙染め特集記事

                           自己紹介
  
阪場康郎 1928年生まれ。 東京在住のアマチュアです。
  1980年代のはじめごろ、妻が朝日カルチャーセンターの陶芸教室に通い始めたのがきっかけでし た。
 当時、私はサラリーマンでしたが、妻が教室で造ってきたものを見たり、話を聞いたりするとなかなか面白そうなので、私もその数年後、会社退職と同時に習い始め、10年ほど陶芸教室に通いました。
 現在は自宅で妻と二人でぼつぼつ造っていますが、この一、二年はちょっと停滞しています。
 作品はすべて手びねりです。電動ロクロは置く場所もありませんし、手間はかかっても手びねりにこだわっています。
 工房もありませんので、居間にある厚い一枚板の和机を作業台にしています。
 窯は一番燃料費の安い灯油窯です。制御機器はなにもないので、火加減の調節が大変で、ほぼ一日中窯から離れられません。
 1992年に妻の個展、1997年と2002年に二人展を開きました。

                 ホームページについて 
 和紙染めは魅力的な技法であるにも拘わらず、陶芸愛好家の間でもあまり知られていないようです。
  たまたま 陶芸.com のギャラリーで、私の和紙染め作品をご覧になった幾人かの方々からお問い合わせがありました。
 和紙染めに関心を持ちながら、上手くいかなくて困っておられる方がいることを知り、それならとぼしいながら私たち夫婦の経験を公開すれば、多少はお役に立つかも知れないし、ついでに私たちの作品も見ていただければと思い、ホームページを開設しました。
 
                        和紙染めとの出逢い
  
絵付けの際、筆で絵を描くのがどうも上手くいかず、あれこれ思い悩んでいるとき、たまたま教室の先生から「和紙染め」という技法がある、ということを教えられました。
 筆で線を引かずに済むということよりも、仕上がりが何ともいえずスマートで美しいのに心を惹かれ、早速これに挑戦してみようと思いました。 しかし、現在では和紙染めに使える和紙はなかなか手に入らず、なんとトイレットペーパーを使うのがが一番いいということを先生から教えられた時には驚きました。
 妻は前からこの技法を知っていたようですが、私が挑戦しようとした時はもう教室をやめていたので、私一人でいろいろな和紙を使って試してみましたが どうしても上手くゆかず、なかば諦めていましたので、トイレットペーパーの話は救いの神でした。

                      試行錯誤の日々
 しかし、ことはそう簡単ではありませんでした。いざやってみると、一口にトイレットペーパーと言っても、種類(銘柄)によって随分性質が違うことが分かりました。顔料をムラなくきれいに染込こませることができるのは、ごく限られた種類のトイレットペーパーだけでした。
 その頃は1ロールずつ買うことができたので、手当たり次第に買い集めてテストしました。その結果分かったことは、和紙染めには値段の安い、質の良くない、硬い感じのトイレットペーパーが適しているということでした。上質の柔らかいものや、ティッシュペーパーなどは紙質が弱すぎて使えません。これが一番いいというものを探し当てるまでには何年もかかったような記憶があります。
 今は、このようなトイレットペーパーはあまり見当たらないようなので、探すのが大変かも知れません。 なお、ペーパーナプキンも、ものによっては使えます.
 さらに、適切な紙を使ったとしても、いつも同じように紙の隅々まで均一に顔料を染込ませたり濃淡をコントロールしたりするコツをつかむのにはかなりの試行錯誤が必要でした。
 
                     和紙について
 以上、紙のことばかり書いてしまいましたが、とにかく、私たちにとって和紙染めは使う紙によって半ば成否が決まるといっても過言ではないのです。
 それにしても、「和紙染め」という 風雅な語感の技法に、トイレットペーパーを使うというのでは些か興ざめの感なきにしもあらずですが、和紙染めというのは技法の呼び名であって、実際にどんな紙を使うかは、時代の変化に応じて柔軟に対処すればいいのだと割切っています。
 しかし、和紙染めの大家といわれる陶芸家は、テレビで拝見すると ちゃんと和紙を使っておられます。私たちも、ある書道の先生に紹介された和紙の老舗から何種類か購入して試してみましたが、たしかにトイレットペーパーよりよいと思われる紙がありました。さすがに繊維の質が良く、縦横の方向性もないので、指でちぎって使うと繊細な雰囲気が出せます。それに丈夫なので何回も使えます。

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